Day Surgery Column

リヒテンシュタイン法とTEP法

日帰り手術コラム

当院が「二つの術式」を完遂する理由

「手術の方法がいくつかあると聞いたけれど、自分にはどれが一番いいの?」
これは、カウンセリングで最も多くいただくご質問の一つです。

鼠径ヘルニアの手術には、大きく分けて「前方アプローチ(リヒテンシュタイン法など)」「腹腔鏡アプローチ(TEP法など)」の二通りがあります。実は、一人の執刀医がこの両方の術式に精通し、患者様の状態に合わせて完璧に使い分けられるクリニックは、全国的にも非常に稀です。

今回は、3,100例以上の経験から導き出した、それぞれの術式のメリットと、当院が「二刀流」にこだわる理由を詳しくお話しします。


1. 安定のスタンダード「リヒテンシュタイン法」

鼠径部の皮膚を数センチ切開し、外側からメッシュを当てて補強する手法です。世界的に「ゴールドスタンダード」として認められている非常に安定した術式です。

  • 確実な補強: 筋膜の欠損部を直接確認しながら、強固に補強できます。
  • 再発例や癒着に強い: 以前の手術の影響で内部が癒着している場合でも、安全にアプローチ可能です。
  • 身体への負担を限定: 全身麻酔だけでなく、局所麻酔でも行えるため、高齢の方や持病のある方にも適しています。

2. 驚異の回復スピード「TEP法(腹腔鏡下手術)」

お腹に3箇所の小さな穴を開け、カメラ(腹腔鏡)を使って内側からメッシュを当てる手法です。なんば坂本外科クリニックが最も得意とする術式の一つです。

  • 傷跡が目立たない: 1cm程度の小さな穴だけで済むため、術後の見た目が非常に綺麗です。
  • 痛みが極めて少ない: 筋肉を大きく切らないため、術後の痛みが軽く、最短距離での社会復帰が可能です。
  • 両側同時手術が可能: 左右両方にヘルニアがある場合、同じ穴から一度に両方を治療できます。

3. なぜ「両方できること」が患者様のメリットなのか?

一般的な病院では、医師の得意不得意によって「うちはすべて腹腔鏡です」「うちはすべて切開法です」と術式が固定されていることが少なくありません。しかし、ヘルニアの状態(大きさ、癒着、過去の病歴)は一人ひとり異なります。

「道具に合わせて患者様を選ぶ」のではなく、「患者様に合わせて最適な道具(術式)を選ぶ」。

当院では、3,100例以上の実績に基づき、初診時の診断でどちらが最も「安全」で「日帰りに適しているか」を判断します。この柔軟な対応こそが、合併症を抑え、高い満足度を維持している理由なのです。


結び:あなたに最適な「オーダーメイド」の治療を

60代の現役世代にとって、手術は「治すこと」だけでなく「いかに早く元通りの生活に戻るか」が重要です。リヒテンシュタイン法で確実に治すべきか、TEP法でスピーディーに復帰すべきか。

私たちは、その両方のプロフェッショナルとして、あなたにとって最善の選択肢をご提案します。まずは、あなたのお悩みをお聞かせください。

次回予告

第3回は、「女性の鼠径ヘルニア」について。男性に比べて見逃されやすく、恥ずかしさから相談をためらってしまう女性特有の悩みと、日帰り手術での解決法をお伝えします。

院長 坂本一喜

なんば坂本外科クリニック
院長 坂本 一喜

【略歴】

  • 1990年 大阪府立三国丘高校 卒業
  • 1996年 奈良県立医科大学 卒業
  • 岸和田徳洲会病院 入職
  • 2010年 岸和田徳洲会病院 内視鏡外科部長
  • 2013年 岸和田徳洲会病院 外科統括部長
  • 2015年 なんば坂本外科クリニック 開設

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