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女性の鼠径ヘルニア
女性の鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術について
女性の鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術について
女性の鼠径ヘルニア(脱腸)
女性の鼠径ヘルニアの特徴:なぜ「私が?」と思ってしまうのか
鼠径(そけい)ヘルニアとは、足の付け根付近の筋肉の隙間から、内臓(腸や脂肪)がはみ出るように飛び出して膨らむ病気です。
インターネット等で調べると「男性に多い病気」と書かれていることが多いため、女性の方は「なぜ自分が?」と不安に思われるかもしれません。実際に成人の手術では男性が約8割を占めますが、女性にとっても決して珍しい病気ではないのです。
また、女性の鼠径部の膨らみは、ヘルニアだけでなく「ヌック(Nuck)管水腫」という女性特有の疾患であるケースも多く、これらを正確に診断して適切な処置を行うには、外科医の深い経験と知識が不可欠です。
女性が「脱腸(鼠径ヘルニア)」を発症する原因
鼠径ヘルニアの原因には、大きく分けて「先天性(生まれつき)」と「後天性(加齢など)」があります。
30代くらいまでの若い女性が発症する場合、生まれつきヘルニアの袋が潜んでいた可能性(先天性)が高いとされています。
一方、中高年以降に発症する後天性の場合は、加齢による筋膜の緩みに加え、以下のような日常的な腹圧の変化や鼠径部への負担が引き金となります。
- 妊娠・出産による腹圧の急激な変化
- 立ち仕事や、日常的に重い荷物を持つ習慣
- 便秘による日常的な力み、慢性的な咳(ぜんそく等)
女性の鼠径ヘルニアは診断が難しい?
女性の場合、男性と比べて構造的に診断が難しいという特徴があります。誤診されやすい「ヌック管水腫」などの病気をしっかりと鑑別し、エコー(超音波)検査やCT検査などで正確に診断することが極めて重要です。病院を受診しても診断がつかなかった、ということもしばしば経験します。
女性の鼠径ヘルニアは自己診断が難しいため、「もしかして?」と思ったら、鼠径ヘルニア専門のクリニックを受診することをお勧めします。
「恥ずかしさ」で治療を遅らせないための取り組み
「場所が場所だけに、病院に相談しづらい」というお気持ちはよく分かります。しかし、鼠径ヘルニアを放置すると、飛び出した腸が戻らなくなり壊死してしまう「嵌頓(かんとん)」という命に関わる深刻なリスクを伴うのは女性も同じです。
なんば坂本外科クリニックでは、患者様のプライバシーを尊重し、リラックスして受診いただける環境を整えています。診察や検査の際は必ず女性看護師が付き添い、大きなタオルを掛けるなど、恥ずかしさを感じさせない配慮を徹底しています。

鼠径ヘルニアに似た女性特有の病気(ヌック管水腫など)
女性の足の付け根の腫れ・痛みを診断する際、間違われやすい病気として「子宮内膜症(異所性子宮内膜症)」「ヌック(Nuck)管水腫」「子宮円索静脈瘤」などがあります。生理(月経)の少し前になると違和感や膨らみが強くなる場合は、異所性子宮内膜症が関連しているケースもあります。
■ ヌック(Nuck)管水腫とは
鼠径部(足の付け根)で、生まれるまでに消失するはずの袋が体内に残り、そこに液体が溜まって腫れる(水腫)病気です。20〜30代の比較的若い女性に多く見られます。鼠径ヘルニアと非常によく似た症状(足の付け根の膨らみ)が出ますが、腸などの臓器がはみ出しているわけではありません。必ずしも全員に手術が必要なわけではありませんが、根治(症状をなくす)させるための方法は手術のみとなります。また、鼠径ヘルニアが併存していることが多いのが特徴です。当院へご来院される患者様も、約半数の方が手術を選ばれています。
💡 鼠径ヘルニアとの「併存(同時に発症)」が多い理由
ヌック管水腫と鼠径ヘルニアは、実は同じ原因(腹膜の袋の遺残)で起こるため、非常に併存しやすいという特徴があります。
どちらも胎児期にある「腹膜鞘状突起(女性の場合はヌック管)」という袋が、成長後も閉じずに残ることが原因です。この同じ袋に水が溜まると「ヌック管水腫」になり、袋がおなかの中とつながっていて腸や脂肪が飛び出すと「鼠径ヘルニア」になります。元となる袋の構造が共通しているため、この2つの疾患を同時に発症しているケースがよく見られるのです。
🛠️ 併存している場合の治療について
2つの病気が併存している場合、治療は「水腫の摘出」と「ヘルニア門(穴)の修復」を同時に行うのが一般的です。当院では、水腫は切除し、穴は縫合閉鎖するために鼠径部切開法で手術を行っています。手術の傷は3~4cmと小さな傷で手術できますので日帰りすることが来ます。
美容面と体への影響を両立
成人の鼠径ヘルニアは自然に治ることはないため、手術が唯一の治療法となります。
若い女性でヘルニアの出口が非常に小さい場合は、メッシュを使わずに下着に隠れる位置を3cmほど切開して閉じる手術(Marcy法)を行うこともが多いです。筋肉が弱くなっているわけではないのでメッシュ(異物)をいれる必要はありません。
中高年で筋肉が弱くなってきている場合はメッシュによる補強が必要になってきますので、「TEP法(腹腔鏡下手術)」がお勧めです。
✓ 女性のライフスタイルに適した鼠径ヘルニア手術の特徴
- ① 目立たない小さな傷(美容面への配慮) 腹腔鏡手術ですと1センチ程度の小さな穴を開けるだけなので、術後の傷跡はほとんど目立たなくなります。切開法でも3cm程度の傷で行うことができます。
- ② 痛みが少なく、翌日から「家事・育児・仕事」へ復帰 筋肉を大きく切開しないため術後の痛みが少なく、手術の翌日から家事や育児、デスクワークへの復帰が可能です。
- ③ ご年齢、病状に応じて手術方法を選択 ご年齢や今後妊娠、出産の可能性があるかどうか、などご病状に応じて小さな傷で行う鼠径部切開法または腹腔鏡手術をご提案いたします。また補強用のメッシュは必要のない方には使用いたしません。
さらに、当院は入院施設のない「日帰り手術専門」のクリニックです。入院の準備や、お仕事・周囲への長期欠勤の説明に悩む必要もありません。専門医に相談することで、その悩みは最短1日で解決できるのです。
女性の鼠径ヘルニアの治療費用
当院では、健康保険適用の手術・診療を中心に行っております。
健康保険適用した場合の料金の概算(体格や内容により多少変わります)
手術前(診察・検査費用)
脱腸(鼠径ヘルニア)が疑われる場合も、まずは正確な診察・エコー検査を行います。
| 70歳以上(1または2割負担) | 3割負担 | |
|---|---|---|
| 診察・エコー検査 | 1,000円〜1,700円 | 約2,500円 |
| 術前検査(手術が必要となった場合に追加) | 1,000円〜1,500円 | 約3,000円 |
脱腸(鼠径ヘルニア)手術費用
| 70歳以上(1または2割負担) | 3割負担 | |
|---|---|---|
| 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(TEP法など) | 約18,000円※ | 約110,000円★ |
| 鼠径部切開法 | 15,000円〜18,000円※ | 約46,000円 |
※窓口での自己負担は18,000円が上限となります(多数該当など条件による)。
★高額療養費制度を利用することで、実際の自己負担額が軽くなることがあります。
女性の鼠径ヘルニアに関するよくある質問(FAQ)
当院では問診、触診、エコー(超音波)検査等で診断を行います。診察の際は女性の看護師が常に付き添い、大きなタオルを掛けて患部以外が見えないよう細心の配慮をいたします。デリケートな場所だからこそ、患者様がリラックスして受診いただける環境を徹底しています。
予約なしでの当日手術は行っておりません。安全な日帰り手術を行うためには、事前の正確な診断と術前検査(採血など)による全身状態の把握が不可欠です。まずは初診の予約をしていただき、病状をしっかり診察した上で、最適な治療計画をご提案いたします。
痛みの感じ方には個人差がありますが、当院が推奨する腹腔鏡手術(TEP法)は筋肉を大きく切開しないため痛みが少なく、デスクワークや一般的な家事・育児であれば手術の翌日から復帰が可能です。ただし、数週間は重い荷物を持つなどお腹に強い力が加わる動作は無理のない範囲にとどめてください。
