HERNIA
女性の鼠径ヘルニア
女性の鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術について
女性の鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術について
女性の鼠径ヘルニア
女性の鼠径ヘルニアの特徴
鼠径ヘルニアとは鼠径部と呼ばれる足の付け根付近で筋肉の隙間から臓器(腸や脂肪)がはみでるように飛び出して膨らむ状態です。
鼠径ヘルニアを調べると男性に多い、と書かれていることが多く、女性の方は「なぜ自分が?」と思ってしまうこともあると思います。
大人の鼠径ヘルニア手術では男性が約8割を占めます。
鼠径部のふくらみで来院された場合、鼠径ヘルニアのほかにヌック(Nuck)管水腫とよばれる袋に液体がたまっている状態であることもよくあります。
女性の鼠径ヘルニアの原因
鼠径ヘルニアを発症する原因は、大きく分けて先天性と後天性の発症があります。
先天性の場合、生まれたときからヘルニア嚢が存在するため、乳児期から鼠径ヘルニアを発症することになります。
後天性の場合、立ったり座ったりという慢性的な鼠径部への圧力に加え、加齢による腹壁の脆弱化によって鼠径ヘルニアを発症するとされています。
女性の鼠径ヘルニアの診断
女性の場合、男性と異なり診断も難しくなります。先のヌック(Nuck)管水腫などの病気を鑑別し、エコー検査やCT検査などで正確に診断することが重要です。
女性の鼠径ヘルニアは自己診断が難しいので、鼠径ヘルニア専門のクリニックを受診することをお勧めします。
当院の鼠径ヘルニアの診察について
女性の患者さんについては、看護師が常に付き添いますので安心して診察、検査を受けていただくことができます。
検査の際は、大きなタオルを掛けるなど恥ずかしさを感じることがないように配慮します。
生理と鼠径ヘルニア
鼠径部(足のつけね)が月経の少し前ごろに違和感やふくらみが強くなることがあります。
異所性子宮内膜症という病状が関連していることがあります。
鼠径ヘルニアに似た病気
女性の鼠径ヘルニアを診断する上で、間違われやすい病気が幾つかあります。
子宮内膜症、ヌック(Nuck)管水腫、子宮円索静脈瘤などがあります。
ここでは、ヌック(Nuck)管水腫について紹介します。
ヌック(Nuck)菅水腫は、鼠径ヘルニアに似た症状を起こすことがあります。
足の付け根付近が膨らむのですが、液体がたまった袋が存在し、鼠径ヘルニアのように臓器や腸がはいっているわけではありません。
20~30代ぐらいで症状に気づいて来院される方多いです。
必ず手術が必要というわけではありませんが、症状をなくすためには手術しかありません。
実際には、来院される約半分ぐらいの方が手術となっています。
女性の鼠径ヘルニアの治療
成人の鼠径ヘルニアは自然に治ることはありませんので、手術が唯一の治療法となります。
若い女性の鼠径ヘルニアでヘルニアの出口が小さい場合は、メッシュを用いないで閉じる手術(Marcy法)を行います。
下着に隠れる位置に3cmほどの創で行うため見た目も気になりません。
中高年の大腿ヘルニアには腹腔鏡の手術を行います。創が小さく痛みの少ない手術です。
女性の鼠径ヘルニアの治療費用
当院では、健康保険適用の手術・診療を中心に行っております。
健康保険適用した場合の料金の概算(体格や内容により多少変わります)
手術前
脱腸(鼠径ヘルニア)の場合も診察・検査を行います
70才以上 1または2割負担 | 3割負担 | |
---|---|---|
診察・エコー検査 | 1,000円-1,700円 | 約2,500円 |
術前検査 (手術が必要となった場合に追加) | 1,000円-1,500円 | 約3,000円 |
脱腸(鼠径ヘルニア)手術
70才以上 1または2割負担 | 3割負担 | |
---|---|---|
腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 | 約18,000円※ | 約110,000円★ |
鼠径部切開法 | 15,000円-18,000円※ | 約46,000円 |
※自己負担は18,000円が上限となります。
★高額療養費制度により負担が軽くなることがあります。
女性の鼠径ヘルニアのよくある質問
問診、触診、エコー検査などで診断をいたします。女性の患者さんには、女性の看護師が常に付き添いますので安心して診察、検査を受けていただくことができます。
予約なしで手術はできません。鼠径ヘルニアの日帰り手術は、患者さまとの協力により成り立ちます。まずは初診の予約をして頂き、病状の診察をした上で、手術が必要かの判断になります。初診当日に手術することはありません。
痛みの感じ方は個人差がありますので、一概には言えませんが、事務作業等は痛みの状況により翌日から可能です。家事に関しても、お腹に力が加わらないようにすれば制限はありません。日常生活に戻りながらも、無理しないようにしましょう。