
Day Surgery Column
鼠径ヘルニア|術式③
日帰り手術コラム
鼠径部切開法3
なんば坂本外科クリニックで、鼠径部切開法の手術で主に実施している「リヒテンシュタイン法」について詳しくお伝えします。
リヒテンシュタイン法は鼠径ヘルニアの治療法のひとつで、鼠径部切開法による手術方法です。鼠径部、幹部の真上を小さな傷で切開し、腹膜を本来の位置に戻して弱くなった部分を人工筋膜のメッシュで補強する方法です。
【リヒテンシュタイン法の手術内容】
1.鼠径部(患部の真上)を3〜5cmほどの傷で切開
2.脱出している腹膜を本来の位置に整復
3.弱くなった腹壁をメッシュを使って補強
4.筋膜、皮下組織、皮膚を縫合して閉創
【リヒテンシュタイン法の特徴】
•外側から鼠径部全体をポリプロピレン製メッシュシートで覆い、縫い付ける方法です
•弱くなって穴が開いているところにあて布を縫い付けて補強するようなイメージです。
•筋肉の上(表面)にメッシュをおくので、お腹の奥をあまり触らずに手術ができます。
•成人の鼠径ヘルニアの場合は、現在ではメッシュ使用する術式が主流でリヒテンシュタイン法は世界的には最も多くされている標準手術です。
鼠径部切開する鼠径ヘルニアの手術方法には、他にPlug法(プラグ法)、PHS法、UHS法、Direct Kugel法(ダイレクトクーゲル法)、Kugel法(クーゲル法)などがありますが、国際ガイドラインではリヒテンシュタイン法が推奨されています。
鼠径部切開法のほかにも、腹腔鏡下アプローチ(TAPP法、TEP法など)もあります。当院では鼠径部切開法はリヒテンシュタイン法、腹腔鏡手術はTEP法をおこなっております。
患者さまの、年齢、体力、鼠径ヘルニアの大きさ、飲んでいる薬、仕事の内容、休みの期間などを考慮して適した手術方法を提案しています。
鼠径部ヘルニアの治療は、なんば坂本外科クリニックまでお気軽にご相談ください。
なんば坂本外科クリニック
院長 坂本一喜
略歴
1990年 大阪府立三国丘高校 卒業
1996年 奈良県立医科大学 卒業
岸和田徳洲会病院 入職
1999年2月 屋久島徳洲会病院 離島勤務
1999年5月 岸和田徳洲会病院 外科
2006年9月 岸和田徳洲会病院 外科医長
2010年2月 岸和田徳洲会病院 内視鏡外科部長
2013年10月 岸和田徳洲会病院 外科統括部長
2015年1月 なんば坂本外科クリニック開設