Day Surgery Column
日帰り手術の麻酔について
日帰り手術コラム
日帰り手術でよく行われる麻酔の種類と特徴
なんば坂本外科クリニックは、鼠径ヘルニア、下肢静脈瘤、陰嚢水腫などの外来日帰り手術専門のクリニックです。手術後、数時間で帰宅を可能とするために、様々な工夫がされています。その中でも、特に重要な麻酔について、その種類と特徴をお伝えします。
局所麻酔
手術の患部に麻酔薬を注入します。効果は早ければ数分であらわれ、数時間効いています。手術部位の痛みがなく意識を保ったまま手術ができますので、体全体に影響が及ばず手術後はすぐに帰宅することができます。日帰り手術には適していますが皮膚腫瘤切除などの小規模手術に適しています。下肢静脈瘤、鼠径ヘルニアも局所麻酔で手術をすることができますが、どうしても手術中に痛みがあるのであまりお勧めしません。
神経ブロック
手術をする範囲に分布する神経に麻酔薬を注入します。局所麻酔より広範囲に効果がでます。鼠径ヘルニアや臍ヘルニア手術の時に、全身麻酔と併用して神経ブロックを行っておくと手術後10時間ぐらい効果がありますので帰宅するときに痛みが少なく済みます。
静脈麻酔
麻酔薬が点滴から注入され深く眠ってしまいますが、全身麻酔とは異なり自分で呼吸をしています。眠ってから局所麻酔も追加して手術を行います。手術後は数十分でちゃんと目が覚めますので日帰り手術には適しています。当院では下肢静脈瘤の手術は静脈麻酔と局所麻酔を併用して眠っている間に手術がおわります。手術中は痛みもありませんし目が覚めたら手術が終わっています。
全身麻酔
麻酔薬を点滴したり吸入して意識が無くなり手術中に痛みを感じることはありません。全身麻酔にも浅い、深いといった程度がありますので手術の種類と患者さんの状態に応じて調節を行います。日帰り手術に適していますが、患者さんに応じて術後回復が早くなるように調節するのには経験が必要になってきます。当院では鼠径ヘルニアは全身麻酔、神経ブロック、局所麻酔を併用してバランスを取りながら手術をしています。全身麻酔にご不安を抱かれる方が多いですが、麻酔の程度を調整しながら行うことができますので、日帰りにはとても適した麻酔といえます。
腰から麻酔薬を注入する腰椎麻酔というものもありますが、足がしばらく麻痺して動かすことはできないため日帰りには適しておらず、当院で行うことはありません。
なんば坂本外科クリニックでは手術の内容や患者さんの病状、年齢、生活環境などを考慮して手術・麻酔方法をご提案いたします。患者さまのご希望にも配慮しながら安全、安心な日帰り手術ができるよう手術・麻酔方法を選択・説明した後、患者さまからの同意を得た上で治療いたします。どんなことでもお気軽にご相談ください。
それぞれに特徴がありましたが、続きは次の機会に・・・。
なんば坂本外科クリニックは日帰り手術のシステムについて、日々研鑽中です。
なんば坂本外科クリニック 院長 坂本 一喜